「AKI、お前に与えられた役目を言え」


『対サイバーテロ用の電子警察官です』



そうだ、お前はこれから寿命が尽きるまでの3日間、観察も兼ねてハッカーの逮捕協力をしてもらう。


「答えろ、AKI。お前には、"痛み"があるのか?」


『質問の意味が理解出来ません』


「…私の質問の仕方が悪かった、訂正しよう。お前に伝わる攻撃は、どのように処理される」


『"痛かった"または"現在も痛んでいる"と処理されます』


「ほう…やはり、"痛み"という名の情報は伝わるようだな」



これは貴重なデータを手にいれた。


この情報は厄介と言えば厄介だが、同時にコンピューター自身の身を守る大事なプログラムだ。


人間に痛みがないと引き際を知らずに死んでしまうのと同じで、やはりコンピューターにも限界を持たせないとデータが壊れてしまう。


これは…痛みとして伝わる情報を詳しく弄らねばな。

今後の課題が一つ増えたぞ、全く休まる暇がないな、これでは。



キーボードに情報を打ち込み、私は再びAKIに問う。



「お前の活動区域はどこからどこまでだ」


『現在の設定限度では、日本全国です』


「どこから、どこまでだ?」


『現在の設定限度では、日本全国です』


「…はぁ…」



もしこの完成品が海外に輸出となると、容量が大変な事になるな…。