*****佳央視点*****

「もし、僕が・・・」


伊波先生が

私の言葉をさえぎって

話しだした。



「もし僕が、藤里さんを
 好きだと言ったら
 どうしますか?」


伊波先生はまっすぐ私を見て


真剣に言った。


私の中の熱が


一気に冷めていく・・・。



「伊波先生・・・。」


「はい。」


「私はその質問に
 なんと答えたら
 合格ですか・・・。」



そう言って車を飛び出した。

家に入って、玄関でへたり込む。


少しして先生の車が発進する

音が聞こえた。


しばらく放心状態で

その場から動けなかった。

*****佳央視点終了*****