「ねぇ、愛結~っ一緒に塔塔(とうどう)くん見ようよ~!」 放課後、部活の始まる時間。 親友の羽城彩架(はねしろあやか)が興奮気味に声を上げる。 『何それ、ストーカー?彩架って珍しい趣味持った変態だったんだ』 それに対し私は抑揚もなく、棒読みで呟いた。 「ち、が、う!断じて!!目の保養だから!」 保養、ねえ。 入学以来、一度もその名を聞かない日はなかった “──塔藤くん”。