~蒼空side~
僕は萌愛の方に顔を近付けた。
すると萌愛は、ぎゅっと瞳を瞑る。
「うぅっ…」
って唸るような声を出しながらね。
それを見た瞬間、僕の胸はドキッて…よく分からないけど鼓動が早くなった気がする。
僕はそのまま、結局何もしなかった。
だって、萌愛がこんなにも可愛いことするなんて思わなかったから。
「萌愛~、何もしないから瞳を開けて?」
そう僕が言うと、萌愛はそーっとそーっと瞳を開けた。
それから、萌愛は無言だ。
怒ったのかな?
ちょっと意地悪過ぎたかもしれない。
少し反省した僕は、萌愛に謝ろうとした時だった。
「蒼空って呼ぶ…」
小さい声だったけど。
それでも聞こえる声。
―――…可愛い。
「僕、萌愛のコト気に入った♪だから、また明日ここに来てよ?いつでもいいからさ♪大丈夫、もうしないから」
萌愛はびっくりしたみたいに僕を見上げる。
~蒼空side終わり~


