3人の王子とあたし





~蒼空side~


僕は萌愛の方に顔を近付けた。

すると萌愛は、ぎゅっと瞳を瞑る。

「うぅっ…」

って唸るような声を出しながらね。


それを見た瞬間、僕の胸はドキッて…よく分からないけど鼓動が早くなった気がする。


僕はそのまま、結局何もしなかった。


だって、萌愛がこんなにも可愛いことするなんて思わなかったから。


「萌愛~、何もしないから瞳を開けて?」

そう僕が言うと、萌愛はそーっとそーっと瞳を開けた。


それから、萌愛は無言だ。

怒ったのかな?


ちょっと意地悪過ぎたかもしれない。


少し反省した僕は、萌愛に謝ろうとした時だった。

「蒼空って呼ぶ…」

小さい声だったけど。

それでも聞こえる声。


―――…可愛い。


「僕、萌愛のコト気に入った♪だから、また明日ここに来てよ?いつでもいいからさ♪大丈夫、もうしないから」


萌愛はびっくりしたみたいに僕を見上げる。



~蒼空side終わり~