どうしたんだろう。
もうすぐ日本に着くというところで彼が目を覚ました。
「ふぁ~…」
ミンウオッパは大きい欠伸をする。
そして、私の方を見ると優しく微笑んだ。
飛行機が着陸して、荷物を持って飛行機から降りる。
降りてしまえば、私達は何事も無かったかのように他人になる。
きっといつかは忘れてしまう。
名前も顔も、会ったことも。
忘れたことさえもきっと忘れてしまうかもしれない。
私はミンウオッパと外に出た。
グルグルと想いが駆け巡りながら。
「あ、雨が降ってる…傘ないのに。」
「本当? それなら…」
と言ってミンウオッパは何も言わず私の前に傘を差し出した。
「え、私に??」
「うん。あげる」
ミンウオッパをよく見ると、傘はこれ以外に持っていない様だった。