バイトの時間が近づいてきた。


私のシフトは週3。
土日はもっぱらバイトだ。



結局、昨日借りた傘を持って外に出た。




バイト先に着いた私は、急いでエプロンをつけて仕事にとりかかった。



テーブルを拭いたり窓の桟を拭いたり、淡々と仕事をこなしていく。



ここまでいくと、仕事にも慣れてきて流れ作業でやっていた。



時間は刻一刻と過ぎていく。


ふいに時計に目をやると、時計の針はすでに19時を指していた。



この時間でも客は入ってくる。




「やっぱり来るわけないか…」




そんな運命的な話あるわけがない。

期待は完全に薄れていた。




そんな時、背が高く、足も長いスラッとした体型の男性客と私と同じくらいの年齢の女性が入ってきた。



入ってきた人は私が見たことある男性にみえた。



私は変わりなくいつものように声をかける。



「いらっしゃいませ~。ご注文は─…?!」




あまりに突然の出来事に私は驚きを隠せなかった。