一回戦を突破した裕樹達はその後、決勝まで勝ち進んだ。



「ここまで来たんだ。絶対勝って、全国行くぞー」


 試合が始まると「いけーいけー」とお互いのチームの応援が続く。


 お互いにシュートを切り出すけれど、それが得点には繋がらない。




前半、後半、ロスタイム。1:1のまま、PKへと移った。



「裕樹ー。いけー」


 三回目のPKは裕樹だ。裕樹が蹴ったボールはゴールの中に入った。



「うぉー」や「やったー」という声が聞こえる。



 試合自体は裕樹が決めたシュートも虚しく、2:3で負けてしまった。



「よくやったよー。裕樹」



 裏から出てきた裕樹に話しかける。



「ありがと。母さん、美穂さん、美雨」
【格好良かったよ】
「ありがと。でも、悔しいな。後、一歩だったのに」
「今日はお祝いだよ!」
「負けたのにか?」
「活躍したからでしょうが。美雨ちゃん、応援ありがとね」
【いえ】




 こうして、4人は裕樹らの家と帰ることにした。





 それを見ていた一人の女子生徒。彼女の行動によって、美雨の運命は大きく変わることに──