「去年、苦情があったんだ」
「は?苦情?なんで?」
再びコーヒーを煎れながら零は話し始めた。
「美雨はさ……聴覚障がいがある。それは知ってるだろ?」
「ああ。つか、高野のこと、美雨って言ってるのか?」
「生徒の前じゃ言わないけど、ややこしいだろ?高野先生の子だから」
「……なるほどな。で、苦情って?」
「ああ。美雨は読唇術で言ってることを読み取っていくだろ?その為にはゆっくりと話さなきゃいけない。するとどうなる?」
「どうなるって……何か問題あるのか?」
「授業をゆっくり進めざるを得ないだろうが。そうなると当然……」
「他のクラスとの差が出て、テストに間に合わなくなる……というわけか」
「そういうこと」
高校なら教科書通り進める必要はない。でも中学は教科書を全て終わらせなくてはならない。
「……去年はどうしてたか知ってるか?」
「詳しいことは知らないけど、美雨がここで勉強してたな。わからないことは俺にも聞いてきたし……」
「……。無視するわけにはいかないよな」
そう言うと、瑞輝は保健室を出て職員室へ向かった。
~瑞輝side~
「は?苦情?なんで?」
再びコーヒーを煎れながら零は話し始めた。
「美雨はさ……聴覚障がいがある。それは知ってるだろ?」
「ああ。つか、高野のこと、美雨って言ってるのか?」
「生徒の前じゃ言わないけど、ややこしいだろ?高野先生の子だから」
「……なるほどな。で、苦情って?」
「ああ。美雨は読唇術で言ってることを読み取っていくだろ?その為にはゆっくりと話さなきゃいけない。するとどうなる?」
「どうなるって……何か問題あるのか?」
「授業をゆっくり進めざるを得ないだろうが。そうなると当然……」
「他のクラスとの差が出て、テストに間に合わなくなる……というわけか」
「そういうこと」
高校なら教科書通り進める必要はない。でも中学は教科書を全て終わらせなくてはならない。
「……去年はどうしてたか知ってるか?」
「詳しいことは知らないけど、美雨がここで勉強してたな。わからないことは俺にも聞いてきたし……」
「……。無視するわけにはいかないよな」
そう言うと、瑞輝は保健室を出て職員室へ向かった。
~瑞輝side~



