あたしがしどろもどろになっちゃった時も嫌な顔ひとつせずに相槌をうってくれる新杉さんをもっと知りたくて、あたしは告白を決意した。


OKを貰って、気持ちを受け止めてくれたことだけで、あたしは幸せだったんだ。


そうやってここまで新杉さんの傍にいけたのに、あたしのチンケな意地や諦めであの笑顔が失われると思うと、あたしの高望みする想いなんかどうでもいいことなんじゃないかと思う。


もう、新杉さんに会えるだけで。
それだけでもういい。


そう決意して、どうやって電話をかけようかと悩みながら迎えた10日目。


あたしの携帯電話が待ち望んだ人からの着信を告げた。