「じゃあ、勉強会始めようか。」
俺は気持ちを引き締めるために眼鏡をかけた。
その瞬間、千尋の顔が真っ赤になる。
・・・・・キュン
俺、何な訳?千尋のテレ顔にキュンて・・・・・。
「俊哉君、眼鏡かけるんだぁ。すっごく似合ってるよ。」
カァァァー・・・・千尋の素直な言葉と笑顔に俺はやられたみたいだ。
「あ、ありがとう。勉強しよっか、まず千尋の苦手な数学から・・・・・。」
「あ、うん。じゃあ数学の1番最初のところから・・・・いいかな?全然わかんなくて」
千尋は本当に困った顔になった。
そんな千尋を安心させるために俺は千尋の頭を優しく撫でた。
「うん、いいよ。大丈夫、きっとできるから・・・・俺が教えてあげるから。ね?」
俺は千尋に笑って見せた。
千尋は真っ赤になりながらもコクンと頷いた。

**1時間後**
「で、ここはこれに置き換えるから・・・・・・」
「こう?」
「そうそう!やっぱ千尋はやればできるんだよ♪今度は応用問題もやってみよう」
「うん!」
ただいま順調に進んでおります。
俺は自分で言うのも何だけど教えるのが上手なのかもしれない。
いや、千尋の呑み込みの速さもハンパじゃない。
俺たち2人がすごいのか・・・・・あー納得。
それから、俺たちはものすごい集中力で正午まで勉強をしていた。
「1回、休もうか?」
「うん!そうだね。私、お昼ご飯作ってもいいかな?」
キラキラと瞳を輝かせて俺に聞いてきた。それと気づいていないかもだけど、何気に上目遣いだし・・・・・・断れるはずも無く、承諾。
「うん、いいよ。千尋の手料理食べてみたいし♪」
これは本音。付き合ったらって考えてたんだよね。
「うん!じゃあ、キッチン借りるね。俊哉君は何か食べたいものある?」
「う~ん、オムライス!!」
「りょーかい♪じゃあ、出来上がったら呼ぶから待ってて。」
「えー嫌だ。千尋が料理作ってるところ見たい。」
俺は子供のようにってまだ子供だけど駄々をこねてみた。
千尋はニコっと笑って「いいよ」って言ってくれた。
その後俺たちは1階のリビングへと向かった。