桜ヶ丘中学へ行くともう、佐久間は来ていた。
「あっ!若宮君。おはよう。」
佐久間は今日もいつもと変わらない笑顔で僕に話しかけてくれた。
「おはよう。ごめんな、待たしたみたいで・・・・・」
僕は少し悲しそうな顔をしてみた。そしたら佐久間は・・・・・
「ううん。今来たところだから大丈夫だよ、安心して。」
そう笑顔で言ってくれた。でも、いつもと違うことがあった。
佐久間は今、僕の手を愛しそうに握っているからだ。僕を安心させるためとはいえ、少しビックリした。離そうともしない佐久間を見て、僕は握られた手にグッと力をこめてでも優しく握った。・・・・・ドキンッ 
僕の胸の高鳴りはまた止まらなかった。
僕の家に着くまで佐久間は何故か顔が真っ赤だった。聞いていいのか悪いのか・・・・。
家について僕はあることを佐久間に伝えた。
「佐久間も桜が大好きなんだよね?言い忘れてたけど僕の部屋には桜の水彩画があるからよかったら見てね。」
「うん、早く見たい!」
佐久間はいつものように笑顔でとても楽しそうだった。
「2階の突き当たりだから先に入ってて。」
「あっ・・・・・うん。」
でも、今日は悪魔で勉強会。
僕、結構スパルタなんだよなぁww
僕はお茶と母さんが趣味でいつも作ってくれるクッキーをお皿に盛って部屋へと向かった。
部屋に入ると佐久間は勉強道具を出していた。でも、緊張しているみたい。
でも、僕を見たら佐久間はニコっと微笑んでくれた。
「かわいい。」
「え?若宮君・・・・今、何て?」
ヤバイ!?つい、思ったことが口をついて出てしまった。
佐久間も驚いている。
「あ、えーと・・・・・・ごめん!つい、佐久間の私服とかその、可愛くてつい口を吐いて出たというか・・・・気分悪くしたよね。ごめんね」
僕は申し訳ない気持ちでいっぱいになった。佐久間はきっと怒ってるよな。・・・・・でも佐久間は何故か顔を真っ赤にして僕を見つめていた。
「全然いいよ?それに、可愛いって言われて・・・・・その嬉しかったし。・・・・若宮君のためにお洒落してきたからよかったなぁって。」
佐久間は嬉しそうに微笑んでいた。