目が覚めた。

薄暗い部屋に浮かび上がる天井を見つめる。

人の温もりが無かったので、首を動かすとエレナは隣に居なかった。

一階から物音が聞こえたので、水でも飲んでいるのだろうと思い、再び天井を見つめる。

久しぶりに見た夢のお陰で、モヤモヤとしている気持ちが晴れた気がした。

この夢を見て、感じたこの気持が俺の本心なのかもしれない。

俺はアイツを……。

気持ちの整理をし、目を閉じて再び眠りの世界へと身を落とす。

次に目を覚ましたのはお昼を少し過ぎた。

隣でエレナはまだ眠っていた。

やはり夜中に水を飲んでいた様で、サイドテーブルに飲みかけのグラスが置かれていた。

エレナは起きる気配がないので、シーツを剥き出しの肩まで掛けてやり、一階のリビングへ向かった。

お湯を沸かしている間にカーテンと窓を開け、玄関に新聞を取りに行く。

いつも俺が使っている白いマグカップに、インスタントコーヒーをスプーン一杯入れる。

砂糖もミルクも入れない、俺はブラック派だ。