老人と同じ様にマリア像に手を合わせるシスターを見つけた。

だが、それは本来有り得ない場所にシスターは居た。

「な、なぁ俺達は夢の中に居るのか……?」

「き、きっとそうよ。まだ日本に居てダブルベッドで寝てるのよ…」

俺とエレナは瞬きを繰り返しながら、お互いの顔を見つめる。

「確認しよう」

「そうね……」

お互いの頬をつねる。

「痛いね…」

「…だな」

俺達は夢を見ている訳ではないようだ。

だがこれが現実だとしても、信じがたい。

「宙に…」

「浮いてる…」

マリア像に手を合わせるシスターは運の椅子に座りながら、俺達の頭上に浮いていた。