毎日和華菜が笑顔で『いってらっしゃい』とキスをしてくれて、仕事で疲れて帰宅した俺に『おかえりなさい』と優しい笑顔で迎えてくれた。

どんなに疲れていても和華菜の笑顔を見るだけで、その一言で俺はいつも癒されていた。

今、和華菜は何処に居るのだろう。

突然過ぎる別れに俺はまだ納得していなかった。

今頃、和華菜は誰に向日葵の様な笑顔を向けているのだろう。

和華菜は今……………。

「ここで降りるわょ」

エレナの声に、俺の一人昔話は強制終了してしまった。

思い出ばかり描いていた為、何処の駅なのか分らずエレナの後に続いて降りる。

「え…」

降りると見慣れた駅のホームが広がっていた。

本当に邪の椅子を探しに来ているのだろうか。

「当たり前でしょ?」

俺の心を読んで、エレナは強い口調でキッと睨む。

「さっきから黙ってるから何考えてるのかと思ったら…」

エレナがイライラしていると口調で理解した。