「もう一回言ってくれたら、居なくなったりしない」

耳元でエレナがクスッと笑った。

「愛してる。……愛してるよ、エレナ」

「私も愛してる。もう何処にも行かないよ」

エレナが腕の力を緩めたので、俺もエレナを抱きしめる腕を離す。

エレナの頬に手を添え、もう一度愛を囁いてから唇を重ねた。

もうエレナに悲しい思いは絶対させない。

冷たい涙なんて流させない。

俺が幸せにしてやる。

だから、突然俺の前から消えたりしないでくれ。

大切なモノを失う辛い気持ちは、二度と味わいたくない。

もし、エレナが消えたら俺はまた血だらけになりながら探す。

そしたら手当てはエレナがしてくれよ?

俺達はキスを繰り返し、互いの存在を確かめ合う様に強く抱きしめ合った。