エレナは泣きながら首を振った。

「だから戻って来たんじゃない」

エレナの言葉を聞いて、俺は嬉しくて頬の筋肉が緩む。

エレナはそんな俺を見て泣きながら微笑み返してくれた。

和華菜が死んだから、エレナを選んだ訳ではない。

和華菜を助けたいと思っていたのは俺なりの正義で、愛しいからでは無かった。

気付いた時にはエレナを見つめていた。

「好きだ」

俺はもう一度想いを告げ、ゆっくりと唇を重ねた。

涙に濡れる口付けはしょっぱかったが、心は想いが通じ合い暖かかった。