どうせ死んだら何も無いんだから、自殺方法も場所もどうでもいいか。

「竜治……起きたかな……」

天井に向かって呟いても答えが出る訳がないので、椅子の力で竜治の状態を確認する。

最後まで自分の気持ちには嘘を吐けないんだなと、苦笑いしながら意識を集中させる。

瞬間、竜治の心の叫び声が頭の中に流れ込んで来た。

『エレナ……行かないでくれッ』

「っ!?」

竜治が私を必要としてくれている。

驚いて集中が途切れてしまいそうになったが、竜治の声を聞く為に、再び意識を集中させる。

『俺はエレナが……』

涙が流れた。

竜治から直接聞いた事の無い言葉。

こんな形で知ってしまったが、どうしようもなく嬉しかった。

ただ、その声は切なくて悲しそうで弱々しかった。

『また失った……こんな思いするなら……死んでしまおう』

「竜治ッ!!」

私は自殺する事も忘れ、自殺しようとしている竜治の元へ急いだ。

待っててね。

今行くから。