舌の動きが止まる。

「俺が殺したいのは寿だけだから」

耳元で囁かれた。

息がかかって、くすぐったい。

再び舌が動き出す。

殺したいのは寿だけ……か。

それは和華菜のため?

それとも自分の恨み晴らしのため?

椅子を集める私の為に殺してくれたりするのかな?

首筋にチクリと甘い痛みを感じる。

「やだっ……見える所に……」

少し焦った私を見て竜治はクスっと笑った。

「これから始めるのに、こうやって……見える所にキスマーク付けるのは定番だろ?」

赤い小さな華が咲いた首筋を撫で、意地悪く笑った顔がかっこよく見えて悔しい。

「なにそれ。AVの見過ぎよ」

いちいち竜治の言動に胸がギュウッとなり、それを隠す様に顔を背けた。