「顔を隠すんだったら何だっていいんじゃない?早く決めて先に進みましょう」

「じゃぁエレナは……そのピンクの髪した魔女っ子な」

「嫌よ!!」

……何でも良くねーじゃん。

エレナは目の部分だけの仮面を手に取った。

「どうせなら顔全部隠せよ」

俺は不気味に笑う左右で色の違う、顔が全部隠れる白黒の仮面を手にする。

「他の人も使ってるかもしれないんだから、汚いじゃない」

気にしていなかったのに指摘されてしまうと気持ち悪く感じて、手に取った仮面を元の位置に戻した。

俺は口元が割れて、目が泣いている仮面に変えた。

互いに仮面を装着したのを確認してから、次の扉を開けた。

その先には更に地下へと伸びる螺旋階段が現れた。

レンガの壁の窪みに幾つも置かれたロウソクが地下へと誘う。

段を踏み外さないよう、ゆっくりと螺旋階段を下りる。

曲がりが急な螺旋階段を下り切ると、細く長い廊下が俺達を出迎えた。

突き当りには大きな金属製の二枚扉。