「でもお前らと違って俺らは勝ったからな。聞いたぞ。お前ら、3組に負けたんだってな。」



高橋は馬鹿にするような口調で言ってきた。


いつもならここで言い返すのだけど。


今は、そんなことどうでもよかった。



あたしは、体操着のポケットから絆創膏を取り出した。



キティちゃんの柄がついてるやつ。
本当はお気に入りだったけど、別にいいやという気持ちになった。



その絆創膏を高橋に手渡す。


「え?」

「これ使いなよ。」

「やっいいよ。水洗いで大丈夫だから。」


大丈夫じゃないから渡してるんじゃん。

この分からず屋。


「おっ俺女子じゃねぇんだぞ」


「柄はあれだけど、血だらだら出てるし。まだ試合残ってるから」


微妙な顔の高橋を見て、あたしは高橋の膝に絆創膏を貼った。