「それでも...違ったんですね。」

 「・・・」

 「美羽先輩と和也先輩を見て、
  本当の恋の姿を教わりました。」

 「うん。」

 「だから、先輩たちには幸せになってもらいたい。いつしか、心の底からそう思うようになっていったんです。」

 「高村は、つらかったんだね。」

 「・・・」

 「本当の高村も、きっとすごくいい人だったんだね。」



私は泣いた。
先輩の腕の中で。

先輩の腕は洗剤の香りと美羽先輩に似たような香り、それから…幸せな香りがした。