美羽は泣いていた。品田も初めて見た、涙だった。 「仁ちゃんのサッカーの試合も見たかった、応援しに行きたかった…!」 「それ以上言うんじゃねえよ…馬鹿女」 品田はそれ以上何も言わず、手袋越しに彼女の手を握ってやった。