寝間着を脱いで露になった私の胸に、一つ耐え難い記憶が焼き付いていた。


それはまるで刺青のように。




薔薇の茨が一文字に描かれたように、私の胸には古傷がある。



白く、白く、自分でも不気味と思えるほど白く私の肌にその古傷はあまりにも不似合いで醜いもので。


なぞれば手触りが悪い。



薔薇とはいえど花などついていないし、痛々しいセピアは綺麗な人形にはおよそ相応しくない。




――…なのに。



自殺行為を繰り返して、四肢についた様々な傷をあなたはたちどころに直させました。


闇医者に金を払ってまで、傷一つ残さぬように手当てしろだなんて言って。



なんど私は継ぎ接ぎされたことでしょうか。



何度も何度も。



それこそ、人形の解れを修理するかのように私は何度でも治されてしまった。



自慢のお人形は綺麗でないといけませんから、ええ、そうでしょうね。