俺はこれまでにない怒りを感じた。
潤さんは焦りながら「なんだよ!」と怒鳴った。
「なにしてんすか?」俺は潤さんを睨みつけながら言った。
「別になにしたって勝手だろ!」
潤さんは必死に怒鳴った。
「なに泣かせてんだよ‼」
俺はそう言いながら潤さんを殴っていた。
潤さんは倒れた。
その時俺は礼奈ちゃんに自分が着ていた上着をかけて
「いくぞ!」と言って礼奈ちゃんをお姫様抱っこして部室から出て
走って逃げた。
俺はそのまま公園に行った。
公園に着くまで礼奈ちゃんは震えていた。
礼奈ちゃんをベンチに座らせて
落ち着くまで抱きしめた。
礼奈ちゃんは俺の胸の中でちいさく震えながら泣いた。
いつもは元気な礼奈ちゃんが
こんなに弱々しくみえたのは初めてだった。
礼奈ちゃんを守ってあげられなくてごめん。
そう思ってもっと強く抱きしめた。

