一般人になるまで

「私は、ご機嫌とりするくらいなら、あんたとは関わらない」

彼女は続けてそう言い、振り返りもせず教室へ戻っていった

私は暫くその場に立ち尽くしていた
私は愛されて当然なのだ
にも関わらず、アイツはそれを拒否した
これは罪だといえる
いいや言えなければおかしい、オカシイ、可笑しい
罪人には、罰が必要だ
それを下すのは、女王である、私だ
そして彼女は私に泣いて詫びるのだ
それを笑顔で許す私
なんて美しい友情


次の日
彼女の悪口をクラスのみんなに言いふらした
あることないこと学校に広がって、噂は噂を呼び、私が何もしなくても彼女は一人になった
ちょっと手を加えてやるだけで、周りは過剰な程、それこそ見ていて滑稽な程反応を示した

楽しくなった私は、彼女の机に落書きを施した
それは誰がやったのかすら咎められず、私がしていない落書きすら増えていた

仲間がいれば、人間強気に出るもので、最初は陰口程度だったものが、彼女の机を教室の外にだしたり、聞こえるように悪口を言ったり、持ち物を捨てたり、クラスのみんなが揃ってするまでになっていた