私は何に対しても優柔不断で、慎重にいきたいわたしは愛弓とはまるで正反対で。
でも愛弓がさらっと答えを出してくれると、
なぜだか根拠も無しに心が落ち着いて、
「まぁいいか」と思えてしまうから不思議だ。
愛弓は天才的に勘が良いのかもしれない。
なんて、馬鹿げたことを真剣に思ってしまっていた。
結局、先生には【未定】と書いた紙を渡した。
「ちゃんと考えなきゃだめじゃないか。」
半ば呆れた様に言う先生に、内心どう答えればいいか考えていると
隣に立っていた愛弓は
「今やりたいこと見つける奴のが凄くね?」
とあっけらかんと先生に言い返していた。
「遠藤…お前なぁっ「じゃあ先生は俺らん時決まってたの?」
先生が言い終わる前に言葉を被せて尋ねる愛弓に、
私はなんて怖いもの知らずなんだと、いつの間にか客観視していた。
「それは……」
「じゃ、先生俺ら帰るね。行こう香住」
してやったりな顔を先生に向けると、私の腕を掴み、ツカツカと職員室を後にした。

