私が施設で育てられている事を耳にするなり、
大人は「可哀想に」と口々に言い、
幼稚園のイジメっ子達は 「お前は捨てられたんだ」「のろまだから捨てられたんだ」等と罵られ、
嫌だ嫌だと思って居ると、

私を見つけた愛弓が
守ってくれていたのだ。


可哀想に と言う親達に心底傷ついて、悔しい気持ちでいると

愛弓は私の気持ちが分かるように

おばさんたちを睨み付けてくれたり

「おばさんたちはこわいなぁ、」


おどけた様に親達に通りすぎ様に反撃してくれた。


今思うと、
あの頃から愛弓の肝は座っていたのかもしれない。


「愛弓お兄ちゃんはね、私にママやパパが居ないの知ってるけど、いつもの様に私と遊んだり、
ここに来てくれて皆と遊んでくれてるんだよ」


そう言うと、
観月ちゃんは「そうなんだあ…」と顔を少し綻ばせた。


「だからね、
きっと愛弓お兄ちゃんの様に優しいマサくんなら、観月ちゃんを悲しくなんてさせないよ」


「……本当?」


「うん!
だって観月ちゃん、
ちゅーしちゃうくらい大好きなんだもん、大丈夫だよ」


優しく頭を撫でると、
少し目をうるうるさせながらぎゅっと私に抱きついてきた。


小さい子なりに、
真剣に恋をしているんだなぁ…。


わたしはたった五歳の女の子が恋をしているなんて、びっくりだったけど。

小学低学年の時に恋したし、人の事言えないよなぁと
観月ちゃんの頭を撫でながら苦笑した。