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夏祭り当日。
「おばさん、浴衣ってこんなお腹きついのっ?」
私は施設の自分の育ての親であるおばさんに頼んで、浴衣を着付けて貰っていた。
「我慢しなさい。少しきつめに縛らないと緩んじゃうでしょ」
そういいながら綺麗に帯を巻いて、
可愛らしく仕上げてくれた。
紺色の生地に百合の花が描かれている、
とても大人っぽい浴衣。
おばさんが、
娘さんが着ていた浴衣を
私にと、くれたのだ。
「ありがとう、おばさん」
「いえいえ。
あら、今日はお化粧もしてるの?」
「……うん。」
少し照れながら頷くと、
おばさんは「可愛らしいわね」といって朗らかに笑った。
今日はちゃんと髪型も工夫して
少し緩く巻いて左側に一本にまとめ、そこに花の髪飾りをつけてみた。
大人っぽく全体的に仕上がって、ほっとする。
早く…愛弓にあいたいなぁ。
会いたいもどかしさがありながらも、
約束の時間が近づくにつれ、緊張していた。

