日もいつの間にか暮れ始めた頃。

子供達は漸く施設内に入り、庭には愛弓と私の二人だけになった。




「そろそろ帰るか…」

「途中まで送るよ」

その言葉に愛弓は首を振る。

「危ねぇからいいよ」

「でも…」

と名残惜しくて
歩きだそうとする愛弓のTシャツの端を掴むと、
愛弓は立ち止まり、
頭を撫でてくれた。


「祭り、行かね?」


え?


ふと顔を上げると、
優しい笑みを浮かべた愛弓の顔が私を見ていた。

「6日の、花火大会。
迎えに行くからさ」


それを聞いて嬉しくて
私の気持ちは満たされてしまった。


図書館で私が見ていたチラシ…


気づいてくれてたんだ。


「ぅんっ!行きたい」

大きく頷くと、
愛弓は「じゃあまたメールする」と言って

私の頭をもう一度撫でてから

帰ったのだった。





愛弓の背中を見つめながら、
私は想いをまた一つ、
積み重ねた――――。