ヴァムピーラ


 そんな私の様子に気づいたのか、河島さんがにっこりと笑ってくれた。

「大丈夫。カノンちゃんの思うように撮れば良い」
「・・・はい」

 それができるかどうか、わからない。でも――・・・、

「よろしくな、カノン」

 そうやって、銀の光を纏ったリキが私の前に立ったとき、銀の月のような存在感を放って私に向かったとき、私はこの人を撮りたいと思った。
 その瞬間、世界がリキとカメラを構えた私だけになる。ぴりぴりとした緊張感をまとった異世界に、私達が迷い込む。

「リキ、私に貴方が撮れるかな?貴方の最高の一瞬を」

 私の言葉に、リキは不敵に笑いながら、

「お前にしか撮れねぇよ、俺の最高の一瞬は」

 そう言ってポーズを決める彼と、カメラを構える私。
 ブルーシルバーの瞳と、ファインダー越しの紫の瞳がぶつかり合う。




 私がこの手で留めるのは、
  最高の見た目を持つ男の、
   最愛の吸血鬼の、最高の一瞬。






fin