コータさんも、河島さんもにこにこ笑っている。リキを伺えば、にやっと笑った。どうやら、私だけが何も知らないらしい。
「サプライズって、何ですか?」
「今日は、カノンちゃんに撮影してもらおうと思って」
「えっ!?」
河島さんの言葉に、私は驚く。
「気づいてないかい?ここには、私達しかいない」
言われて注意深く見回してみれば、その場にはレアさんとリキ以外のモデルはいなくて、スタッフも数人しかいない。
「リキがね、カノンちゃんに撮ってもらいたいって。あいつの最高の一瞬を」
「リキが・・・?」
レアさんの言葉にリキを見ると、リキは照れくさそうに笑った。
「ほら、カノン。俺、着替えるから。お前はカメラに慣れておけ」
「え、で、でも」
「でももへちまもなし」
そう言って、リキはコータさんと奥の部屋に行ってしまう。と、河島さんに肩を叩かれた。
「さ、カノンちゃん、今日は私がアシストするから」
「か、河島さんがアシストだなんて・・・っ」
「良いから、英輝さんに任せて」
レアさんと河島さんに促されて、私は恐る恐るカメラの前に立った。そして、カメラの感覚を確かめる。
そうしているうちに、高揚感にも似た緊張が私を襲い、言いようもない不安が私の心を包んだ。
私に、リキの最高の一瞬が撮れるのだろうか?
私に、思うような写真が取れるのだろうか?
少しでも迷うと、怖くなる。足がすくんで動けなくなる。

