「リキ・・・」
「貴方がミウを受け入れていなかったら、俺はカノンに出会えてなかった」
私は、リキの手を握った。リキはそれをそっと握り返した。
「カノンを生んでくれて、ありがとう」
今度は母にそう言って頭を下げるリキ。
「俺も吸血鬼だから、人間との間に子供を持つ覚悟がわかる。痛いほど。だから、本当に貴方達に感謝してる」
「頭を、上げて」
母が、そっとリキの頭を上げさせた。
「感謝したいのは、こっちの方だわ」
「え?」
「カノンの、頑なだった心を溶かしてくれて、ありがとう」
「お母さん・・・」
母はリキの手を握って、
「本当に、ありがとう」
そう言った。
それから、堅苦しい話はなしで、いろいろな話をした。母がどんなふうに生きてきたか、リキがどんなふうに生きてきたか、そして父と母の物語。私が生まれてからの物語。
今まで語られることがなかった話をこうやって知ることが出来るのは、リキのおかげだと思った。
素直に、こうやって一緒にいられることが、嬉しいと思えた。

