「私は、ミウの娘だよ。意味、わかる?」
初めて会ったとき、私がミウの娘だと聞いて、驚いた顔をしたレアさん。母がリキを知っていて、レアさんが母を知っているのなら、リキが知らないわけがない。
案の定、リキははっと息を呑んだ。
「私も知らなかったんだけどね、お母さんが何者なのか。でも、河島さんとレアさんが話しているのを聞いて、レアさんがヴァンパイアなんだって知ったの。それで、お母さんのことも」
「カノン・・・」
私は、そっとリキに手を伸ばした。
「私は、ヴァムピーラなんだって」
「ヴァム・・・ピーラ・・・?カノン、が・・・?」
リキは、相当混乱しているようだった。私はその手をぎゅっと握って、
「だからリキ、隠さなくて良いよ、本当の貴方のこと。私は、受け入れられるから。ありのままの貴方を」
伝えたかった言葉を、そっと紡いだ。
そのまま、随分長い時間が過ぎたように感じた。けれど本当はほんの一瞬のことだったらしい。
ふっと、リキが息を吐いた。
「・・・まじかよ」
そうリキが呟いたのを聴いた瞬間、私はリキに抱きしめられていた。

