「俺は、カノンに嫌われてる自信はあったんだけどな・・・」
「茶化さないで」
私は微笑んで、
「リキ、私のために無理しなくて良いよ」
「ん?」
リキは不思議そうに首をかしげた。
きっと、これを告げれば、リキは驚く。その後の反応が怖い。だけど、私は伝えなくちゃいけない。
「リキは、血を吸わなきゃ生きていけないんだから、私のためにそんなことを我慢しなくても良いよ」
私の言葉を聞いたリキは、極限まで目を見開いて、はっと私から離れた。信じられないものを見るように、私をまじまじと見つめている。
「お・・・まえ・・・」
「驚いた?」
掠れたような声を出した後、リキは言葉が続かない様子だった。
「リキ、私が何だか知ってる?」
「何・・・?」
この様子だと、リキは河島さんやレアさんから、なにも聞いていないはず。

