母と話した後、アトリエから帰ってきた父とも話をした。父も笑って、良かったと言ってくれた。
他の人にとっては、にわかに信じがたい事実のなのかもしれない。信じてくれる方が、珍しいのかもしれない。
いつか本当のことを誰かに言ったとき、嘘つき呼ばわりされることがあるのかもしれない。頭がおかしいと思われることがあるかもしれない。
それでも、私はありのまま生きることを決めたから。
私の一瞬ごとを、最高の一瞬にするために、自然のままに生きることを決めたから。
そうしたら、無性にリキに会いたくなった。
河島さんに頼んで、リキのスケジュールを調べてもらうと、別の雑誌の撮影でロケに行っていることがわかった。
仕事をしているということは体調は良くなったらしいと、一安心したものの、会えなくて残念に思った。
私が吸血鬼の娘だと知ったら、リキはどんな顔をするのだろう。
会いたくて、仕方がなかった。
私に触れた冷たい手、銀の月のようなそのオーラ、シルバーブルーの瞳。
この手で触れたくて、謝りたくて、早く会いたかった。
この溢れるような想いを、伝えたかった。

