「カノンちゃんは、戸籍を見たことがないだろう?」
「え?」
河島さんの言葉に、私は頷いた。確かに、今まで自分の戸籍を見たことはない。
「君は戸籍上は爽幻の養子ってことになってるって、知らないだろう」
「え!?」
「君の両親は、正式な結婚はしていないんだ。正確には、ミウは人間じゃないから、できなかったんだ」
衝撃の事実に、言葉を失う。
そんな私に、河島さんが笑いかけた。
「爽幻もミウも、君を大切に育てていた。ミウがヴァンパイアであるという事実を隠しながら」
「・・・」
「最初は、二人とも君に何か力があるということを気づかなかったんだよ。髪と目の色以外、普通の人間と何も変わらない子供だと思っていたんだ」
河島さんの口から開かされる事実。
今まで聞いたことは、信じられないような話のはずなのに、なぜか私の心はそれを受け入れていた。
「君に力があると気づいたのは、君がカメラに興味を持ったときだった。そのとき、二人とも本当のことを話すかどうか、すごく迷っていたんだ」
迷って、私には何も話さないという選択をした両親。
「ミウが、怖がってね。自分みたいに、君が傷つくんじゃないかって」
「そんな・・・」
「そのミウを傷つけたのは、私だ」
河島さんの言葉に、レアさんが寂しそうな顔をした。

