ヴァムピーラ


「ヴァンパイアだけじゃない。この世には、人間が気づいていないだけで、人間に消されてしまったいろんな種族の生き物がいる」

 人間に、消された・・・?

「カノンちゃんは、私の言葉を信じる?」

 私はまじまじとレアさんを見た。
 真剣な金色の瞳で真っ直ぐと私を見る彼女。
 それは、リキや母が見せた表情に似ている。
 太陽のような豪奢な光を放つ彼女は、優美で、美しかった。

 レアさんが吸血鬼だということは、にわかには信じがたい。
 だけど、レアさんが私の目の前に存在しているということは事実で、その彼女が自分はヴァンパイアだと告白している。
 そして、母も――。

「人間は・・・普通じゃないものを、拒絶する・・・」

 母さんの口癖が、口をついて出た。
 それは、母さんが何度も拒絶されてきた証だったのかもしれない。

 気づけば、私は涙を流していた。

「私、ヴァンパイアの子供だったんだ・・・」

 人には見えないものが見える私。
 本当は、人間じゃなかった私。
 そんな私を、守ろうとしていた母。