ヴァムピーラ


「嘘よ」

 続いたレアさんの言葉は、

「私がヴァンパイアだってこと、英輝さんは気にしてる」

 私の思考を停止させるほどの衝撃を与えた。

〝今・・・なんて・・・?〟

「違う・・・レア、聞いてくれ」
「何が違うの!英輝さんは、私の牙がいつか貴方の喉を切り裂くとでも思ってるの!」
「レア!」
「私の爪は貴方の心臓をえぐったりしない!」

 ヴァンパイア・・・?
 レアさんが?

 あまりの出来事に、私は動けなくなってしまった。

 ヴァンパイアって、吸血鬼・・・?
 架空の生き物のことよね・・・?

 でも、レアさんの取り乱しようは、冗談で言っているようには聞こえない。

「レアっ、俺は、君の事を怖いと思ったことは一度もない!」

 焦ったような河島さんの言葉、私の前では穏やかに話す彼が取り乱している。そして、それも冗談を取り扱っているようには、思えなかった。