ヴァムピーラ


「ただいま」
「あ、おかえりなさい」

 だけど、タイミングを見計らったかのように父が帰ってきた。


『リキと関わるのはやめなさい』

 私の中で、母の言葉は絶対だった。
 だけど、私はリキのことが気になって仕方がない。

〝お母さん、ごめんなさい・・・〟

 心の中で、そっと母に謝る。
 私は自分の気持ちを確かめるために、リキに会いに行くことを決めた。





 再び撮影所に来た私は、見知った顔のスタッフに挨拶をしながら中へと入った。

「カノンちゃん、相変わらず綺麗よ」
「ありがとうございます」

 コータさんに褒められて、私は照れ笑いを浮かべた。そしてきょろきょろと辺りを見回す。
 それに気づいたコータさんが笑った。

「リキちゃんのこと探してるのかしら?」
「うえっ」
「でも、残念。リキちゃんなら、しばらく休んでるわよ」

 意外な言葉に、私は目を見張った。