ヴァムピーラ


「人間と相容れない・・・?」
「どうしたの?」

 突然呟いた私に、母がきょとんとした。

「ううん。ただ、リキが同じことを言っていたから」

 リキという名前を出した瞬間、母の顔色が変わった。

「リキって、モデルの?」
「え、うん」

 母は、険しい顔で何かを考えていた。そして、そっと口を開いた。

「カノンの好きな人って、リキなの?」
「えっ、違う!好きとかそんなんじゃなくて・・・」

 私の反応を見た母は、すっと目を細めた。

「カノンは、信じていることが変わってしまうことをどう思う?」
「どういう意味?」
「カノンは、信じていた世界がひっくり返ることを恐れる?」

 突然の母の言葉の意味がわからず、私は当惑する。
 だけど、母は真剣な表情で続けた。

「もしも、それに耐えられないのなら、リキと関わるのはやめなさい」
「えっ・・・母さん?なんで・・・」
「どうしても。これは、カノンのためなのよ」

 納得のいかない私は反論しようとした。