ヴァムピーラ




 以前にも増して、リキのことが気になってしまう私は、家の中でもぼうっとしていることが増えた。
 近くにいるはずがないのに、あのシルバーブルーの瞳に見られているような錯覚さえ覚える私は、かなりの重症だ。

 ソファでクッションを抱えてぼうっとしていた私の顔を、母が覗き込んだ。

「わっ」
「カノンってば、この前からずっとぼうっとしてる」

 そう言って笑った母は、私の隣に腰掛けた。

「そうかもしれない」
「気になることがあるの?」
「えっと・・・」

 気になることというよりも、気になる人がいるに近い。そんなことを考えた私は赤面してクッションに顔をうずめた。
 そんな私を見た母は私と同じ紫色の瞳を見張ってから、くすっと笑った。

「あら?もしかして、カノンにも春が来たのかしら?」
「そ、そんなんじゃ!」
「本当にー?」

 そうやって首をかしげる母は、私から見ても若々しくて、可愛らしい。