ヴァムピーラ


 そんなふうに泣きそうな声で囁かれたら、私には何も言えるはずがなく、ただ、リキの気が済むまでそのままの体勢でいた。
 しばらくしてそっとリキが離れたときには、私は恥ずかしさのあまり顔も上げられなかった。
 そっと私の頬をなぞるリキの手が冷たくて、びくりと震える。

「・・・ごめんな」
「え?」

 いきなりの謝罪に、私は顔を上げた。
 激情を抑えているような、そんな揺らいだ瞳。私は未だに、リキの瞳に囚われている。

「まじで、ごめん」

 そう繰り返して、リキはいきなり立ち上がった。

「リ、リキ?」

 そのまま何も言わず、リキは姿を消した。

 私は、リキが触れた頬にそっと触れた。
 私を抱きしめたリキの身体は、凍えるように冷たかった。