ヴァムピーラ

「お前、顔色が悪いぞ」
「・・・まあ」
「リキ、あんた・・・」

 レアさんが低い声を出す。リキがちらりと私を見た。

「?」

 しばらく考え込んでいた河島さんが、一つ頷いた。

「リキ、お前今日は帰れ」
「は?なんで・・・」

 言い返すリキだけど、河島さんは険しい顔で、

「今のお前じゃ、最高の瞬間は撮れない」
「・・・」

 その言葉に、リキは黙ってしまう。
 現場にただならぬ空気が流れる。

「カノンちゃん」
「へっ?」

 いきなり話の矛先を向けられ、私は間抜けな声を出した。
 河島さんは微笑んで、

「こいつ、頑固だから私が言っても休まないと思うんだ。だから、カノンちゃんこいつに付き合ってくれないか?」
「はい?」
「私からも頼むわ。カノンちゃん、リキに付きそってあげて」

 リキがレアさんを睨んで、背中を向けて歩き出した。

「ほら、早く」
「え、あ、はい」

 コータさんに背中を押される形で、私はしぶしぶリキの後を追った。