「っ」
そして、あまりの衝撃に言葉を失った。
控え室と思しき扉の前で、河島さんとレアさんがキスをしていた。
私は思わず物陰に隠れた。
レアさんが笑顔で何かを言って去っていき、河島さんは控え室に入っていった。
〝えっと・・・あの二人付き合ってるの・・・?〟
下手をすると親子ほど年が離れた二人。
それでも、他人の私が口を出すことではない。
気まずい想いを押し隠しながら、私は控え室の扉を叩いた。
すぐに河島さんが扉を開き、私を見て微笑んだ。
「久しぶり、カノンちゃん」
「あ、お久しぶりです。この前は写真展の招待状ありがとうございました」
「いや、良いんだよ」
笑っている河島さんは若々しくて、確かに言われなければ四十代だとはわからないかもしれないと思った。
〝でも・・・レアさんと・・・〟
先ほどのキスシーンが頭に浮かんで、赤面する私に気づいたのか、
「どうしたんだい、カノンちゃん?」
「えっ、いや、なんでもないです」
「そう?」
そういえば、河島さんは人を観察するのが凄く上手い人だった。
気をつけなくては、と気を引き締め、
「私、最近撮りたいものが取れなくて、ちょっと困ってるんです」
と、本題を切り出した。
河島さんにこの話をしたくて、都合のいい日がないか尋ねたら、撮影を見においでと誘われたのだ。

