「悪いことじゃないよ、気にしなくていいんだ。でも、カノンちゃんは自然の最高の瞬間を撮りたいって言ってただろう?」
「はい」
「人間はさ、その自然界の最高傑作だとは思わないかい?」
「え・・・?」
河島さんは、にっこり笑ってそう言った。
「英輝さん、カノンちゃん、お疲れ様でした」
「あ、レアさん」
太陽のように光り輝くレアさんが、眩しい笑顔を私達に向けてくれる。
「カノンちゃんは、ミウの娘だって聞きましたよ」
「レア」
不自然なほどに低い声が、河島さんから出た。
レアが驚いて河島さんを見た。
「え、じゃあ・・・?」
「ああ」
「何ですか?」
二人のただならぬ様子が気になり、尋ねた。しかし、河島さんは笑顔を私に向けて、
「なんでもないよ」
と、そう言った。

