カメラのファインダーをのぞく河島さん。栞さんはプロの顔になって、ポーズをとっている。
「凄い・・・」
思わず、言葉が漏れる。河島さんの真剣な顔、栞さんの最高の一瞬を逃さないようにと緊張感漂う撮影。
人間を相手に、ああいうふうに真剣になれるのが凄いと思った。
「凄いでしょ、ひできちゃん」
「あ」
コータさんが私に微笑みかけていた。
「あの人にかかると、私が手がけたモデル達の最高が見れるの。それが、写真っていう形に残ってくれる」
「・・・・・・」
「人は、老いるものよ。一瞬で顔が変わる。それをひできちゃんに最高の瞬間を残してもらえるあの子達は幸せよね」
私は真っ直ぐと河島さんを見た。
今まで、人を撮りたいと思ったことはない。今でも撮りたいとは思わない。
だけど、河島さんのように情熱を持てることは凄いと思った。
「あ、次はリキちゃんの番よー」
「おっけー」
リキ、という名前を聞いただけで身体がはねた。リキは栞さんと入れ違いに河島さんのカメラの前に立った。
その瞬間、空気が変わった。
「・・・っ!」
私は、息を呑んだ。

