ヴァムピーラ


「リキ、まだ来てないの?」
「んー、美紀ちゃん、俺のこと呼んだー?」
「きゃっ、リキ!」
「リキちゃあああああああん、おはよーうっ!」
「あ、栞、英輝さんが呼んでるわよ」
「本当だ、いってきます」

 栞さんと入れ替わるようにその人が入ってきたとき、再びその場に光が増えたのかと思った。
 コータさんの歓声も気にならないくらい、私は目を見開いていた。
 口を開けて、ぽかんとその人を見つめている私は、随分間抜け面になっていると思う。

「リキちゃん、座って座って」
「あれ、コータさんは私は?」
「あ、もちろんレアも座って座って」

 リキと呼ばれたその人と、レアさんが並んで座る。
 これはもう、目の毒だ。
 太陽のように豪華な光を放つ、金髪金目のレアさん。その隣に座る、月のように冷たい光を放つ、銀色の髪にシルバーブルーの目を持つ男の人。
 私は、衝撃を受けていた。
 世の中に、こんなにも綺麗な光を放つ人がいるなんて、想像もしていなかったから。