「この子は、あのミウの娘さんなのよ」
「ミウのっ?」
母の名前を出したときの怜愛さんの反応は、さっきの栞さんとは違っていた。
はっとして、信じられないものを見るような目で私を見た。
「・・・初めまして、怜愛よ。レアって呼んで」
「初めまして、葉山カノンです」
レアさんは、戸惑ったように私を見ていた。
「怜愛ー、心配しなくてもその子はカメラマン志望なんですって」
栞さんが笑いながら言う。
「珍しいわね、怜愛が他の人を気にするなんて。心配しなくても貴女がナンバー1よ」
「ふふ、栞ってばお世辞が上手なのね」
にっこりと笑う二人が、怖い。私は視線だけでコータさんに助けを求めるけど、コータさんはまた始まったとばかりに笑っている。
「そーだ、リキは?」
栞さんの向こう側にいたモデルさんが身を乗り出してレアさんに聞いてくる。

