ある夏の小西町2丁目─────…… 俺は、このクソ暑い中すいかと一冊の本を持って歩いた。 向かう先は、俺の幼なじみのアイツん家。 アイツ、井上 小桜(イノウエ コハル)はドジで単純ですっげー負けず嫌い。 “井上” キィ…ガチャ 母親同士が結構仲がいいらしく、俺たちが生まれて16年の今も付き合いは長い。 そのため、お互いインターホンを鳴らして入ることはほとんどない。