「もっと近付きたい、茜くんに」
「え、」
「足りないの、もどかしいの。もうこんな中途半端は、嫌なの」
「真咲、先輩」
「好きだよ、茜くん」
言うなり、引き寄せられたあたしの体。
低い体温で全身を包まれて、茜くんの心音が心地良く響く。
あんなに躊躇って言えずにいた言葉が、こんなにも簡単に口から出てくるなんて。心臓は忙しく動いている。けれどそれは嫌な感じなど、ひとつもなくて。
ここ道の真ん中なのに、だとか、人がいるのに、だとか、思うことはたくさんあるけれど、離れようとは思わなかった。されるがままになっていると少しだけ体を離して顔が近付いてくることに気付く。
あたしも少しだけ顔を上げると、唇が、触れ合う感覚。
たった一瞬。けれどその感覚にもっと心臓が躍る。胸に込み上げるのは、誰にも感じたことのないような、比べものにならない愛しさ。
溶けてしまいそうな、甘い痺れが体を走る。
「俺も、好きです」
人を好きになって、こんなに心が満たされたことはあっただろうか。
「ずっと、真咲先輩だけ好きでした」
「待っててくれてありがと。…大好き」
「独占欲が強いって、先輩といるようになって初めて気付きました。もう離してあげませんよ、俺」
いいんですか、なんてそんなの愚問だ。
離す気なんて、ないくせに。あたしだって離す気はない。
だってこんなに譲れない気持ち、他の人では手に入れることは出来ないと思うから。
こんなに愛してその人に愛されるなんて、それだけで運命だと思えるんだ。
遠回りしたけれど、それが間違っていたとは思わないよ。たくさん傷付いて悩んで、君の存在があたしにとって大きな、唯一無二なものだと知れたんだから。
待たせてしまったけれど、同じ気持ちでいてくれたらいいな、なんて。
誰が何と言おうとこの恋は本物なんだ、って。
二人なら永遠さえ信じられる、って。
だって君はあたし達の運命を繋いでくれるんでしょう?
「え、」
「足りないの、もどかしいの。もうこんな中途半端は、嫌なの」
「真咲、先輩」
「好きだよ、茜くん」
言うなり、引き寄せられたあたしの体。
低い体温で全身を包まれて、茜くんの心音が心地良く響く。
あんなに躊躇って言えずにいた言葉が、こんなにも簡単に口から出てくるなんて。心臓は忙しく動いている。けれどそれは嫌な感じなど、ひとつもなくて。
ここ道の真ん中なのに、だとか、人がいるのに、だとか、思うことはたくさんあるけれど、離れようとは思わなかった。されるがままになっていると少しだけ体を離して顔が近付いてくることに気付く。
あたしも少しだけ顔を上げると、唇が、触れ合う感覚。
たった一瞬。けれどその感覚にもっと心臓が躍る。胸に込み上げるのは、誰にも感じたことのないような、比べものにならない愛しさ。
溶けてしまいそうな、甘い痺れが体を走る。
「俺も、好きです」
人を好きになって、こんなに心が満たされたことはあっただろうか。
「ずっと、真咲先輩だけ好きでした」
「待っててくれてありがと。…大好き」
「独占欲が強いって、先輩といるようになって初めて気付きました。もう離してあげませんよ、俺」
いいんですか、なんてそんなの愚問だ。
離す気なんて、ないくせに。あたしだって離す気はない。
だってこんなに譲れない気持ち、他の人では手に入れることは出来ないと思うから。
こんなに愛してその人に愛されるなんて、それだけで運命だと思えるんだ。
遠回りしたけれど、それが間違っていたとは思わないよ。たくさん傷付いて悩んで、君の存在があたしにとって大きな、唯一無二なものだと知れたんだから。
待たせてしまったけれど、同じ気持ちでいてくれたらいいな、なんて。
誰が何と言おうとこの恋は本物なんだ、って。
二人なら永遠さえ信じられる、って。
だって君はあたし達の運命を繋いでくれるんでしょう?
